アナ金融塾〜アナと雪の借金(借金と金利について その2)

どうも〜アナキンです。

私が住んでいるところもようやく暖かくなってきました。

 

前回からスタートしたアナ金融塾ですが、そこそこの人が読んでくれたみたいで、嬉しいです。 

sirdarthvader.hatenablog.com

以下のような感想もいただいて、嬉しい限りです。  

 

 

ことの発端はサウザーさんのvoicyに出演した際に消費者金融から400万円の借り入れがある話から始まりました。

これですね。

 

 

それと今後アナ金融塾で取り上げて欲しいテーマについて簡単にアンケートを取ってみました。 

 

意外と税金を知りたいという人が多くてびっくりしました。 

私は税金知識で食っているプロではないですが、仕事の都合で税金について勉強はしています。

初歩レベルのものならば語れるので、今後書いていきたいと思います。

 

 

今回は借金について第2弾といきましょうか。

今回の目次はこんな具合

 

 

 

 

 

 

1.毎月の支払いについて(金利と返済の順序) 

これは前回の復習です。

前回は元金と金利と利息と毎月の返済について解説しました。

覚えておりますでしょうか?

 

前回のエントリーでのポイントは金利の支払いが最初に決まる、というところです。

400万円の元金、金利が12%(年利)、毎月の返済額が6万円、だったとします。

毎月の返済額6万円のうち、利息の支払いが4万円、元金の返済が2万円になりますね。

ここの計算の理屈がわからない方は前回の復習が足りません。

もう一度勉強しましょう。

sirdarthvader.hatenablog.com

 

 

 

利息の支払いが先であり、その残りで借金の大元である元金を返済するという順番になります。このルールはどの借金でも同じです。

住宅ローンだろうが、マイカーローンだろうが、カードローンだろうが、証書貸付であろうが、手形貸付であろうが、プロジェクトファイナンスであろうが、当座貸越でだろうが、シンジケートローンでだろうが、ノンリコースローンでだろうが、消費者金融であろうが、ヤミ金であろうが、社債であろうが、クレジットカードであろうが、全ての借金に共通する理屈です。

私生活でも仕事でも同じ原理で借金の計算がなされます。

 

 

 

 

 

 

では続いて金融クイズです。

若くして親をなくして頑張っているアナちゃんは親が残した400万円の借金と親から相続した400万円相当のフェルメールの絵画(真珠の耳飾りの少女)があります。

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金利は年利で12%、現在は毎月6万円を返済しております。

アナちゃんは親の代からやっている貿易の仕事を続けており、毎月30万円は手元に残ります。アナちゃんの仕事は順調であり、倒産の恐れや近々大きな出費はありません。

 

そこにお金を貸している人がやってきました。

「アナちゃんは親もいなくて頑張っているから、大サービスで毎月の返済額を3万円にしようかと考えております。お得なので、来月から3万円の返済にいたしませんか?」

と言われました。

そこでアナちゃんはお姉さんのエルザさんにこのことを相談します。

アナちゃんはイメージが悪い真珠の耳飾りの少女をさっさと売り出して、そのお金で借金を一括繰り上げ返済したいと考えていました。

しかし、エルザ姉さんは「親からもらった絵画を売るなんてとんでもない!」と反対しました。「毎月の返済額が3万になったら生活が楽になるんだから3万円にしなさい」と言われました。

アナちゃんはどうしたらいいでしょうか?

 

 

1.毎月の返済額を3万円にする。

2.そのまま毎月の返済額を6万円にする。

3.毎月の返済額を9万円にする。

4.真珠の耳飾りの少女を売って、400万円繰り上げ返済する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解は4です。

今回は正解の解説ではなく、もし仮にお金を貸している人やエルザ姉さんの言う通りに1を選んでいたら、どうなっていたのかというところを解説していきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.単利と複利

さきほどのクイズでアナちゃんはエルザ姉さんのいう通りに毎月の返済額を3万円にしたとしましょう。

 

はてさてここで問題です。

アナちゃんはエルザさんのいう通りに毎月の返済額を3万円にしました。

では、400万円で年利12%で毎月返済額が3万円だと、初回の支払いが終わった段階で借金はいくらになるでしょうか?(金利単利ではなく複利

 

①3,970,000円

②3,990,000円

③4,000,000円

④4,010,000円

 

こちらもtwitterでクイズをやっています。

 

 

 

 

これは順番に解説していきましょう。

基本的な計算は前回エントリーで学んだ計算式で大丈夫です。

まずは利息の計算

利息=400万円×12%÷12ヶ月=40,000

ここから元金の返済額の計算です。

毎月返済額30,000 ー 40,000 = ー10,000

 

前回と異なるのは元金返済額がー10,000となっているところです。

元金返済額がマイナスとなるとはどういうことか理解できますか?

 

本来毎月40,000円支払うべき利息を10,000円分支払っていない状態です。

そして、元金の返済がなされていない状態になります。

元金が返済されておらず、さらに利息を10,000円支払っていないため、残っている借金は4,010,000円となります。

 

 

 

 

 

 

そして、ここからが本題です。

では翌月の支払いはどうなるでしょうか?

ここからは金利単利なのか複利なのかによって支払い金額が変動します。

 

それではここで再度クイズ

アナちゃんはエルザさんのいう通りに毎月の返済額を3万円にしました。

借金400万円、金利が年利12%で初回支払いは3万円を銀行へ支払いました。この場合、翌月の利息はいくらになるでしょうか?(金利複利

 

1.30,000

2.30,100

3.40,000

4.40,100

 

twitterでもクイズしておりますので、回答よろしくお願いします。 

 

ここで金利の仕組みで超重要概念である単利と複利の解説を行います。

単利と複利というのは、利息を元金に含めるか含めないかの違いです。

たったこれだけです。

ただし、この利息を元金に含めるか含めないかというちょっとした違いが大きな金額の差を生み出していきます。

 

今回の問題例では支払い切れなかった10,000円の利息が発生していますね。 

 初月の支払いで利息40,000円のところ30,000円しか支払っていません。

この10,000円を元金に含めないのが単利、元金に含めるのが複利です。

 

 

 

 

図解するとこのようになります。

 

 

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単利の場合は未払いの利息10,000円を元金には含めません。

ですので、2ヶ月目の利息計算では400万×12%÷12ヶ月=40,000となり初月と利息金額は変わりません。

 

複利の場合は未払いの利息10,000円を元金に含めます。

ですので、 2ヶ月目の利息計算では(400万+未払利息1万)×12%÷12ヶ月=40,100円となり初月と比較して利息は100円増えています。

 

これが単利と複利の違いです。

理解できましたでしょうか?

 

そして、先ほどの問題の正解は40,100円となります。

今回の例では利息は100円しか変わりませんから、大した違いを感じなかったかもしれません。

しかし、この100円の差に借金を雪だるまにする秘密があります。

 

 

 

 

 

3.借金が雪だるまになる日

借金が雪だるま式に増える、という言葉を耳にした人はおりますでしょうか?

なんとなく聞いたことがあるかもしれませんね。

雪だるまになる秘密は先ほど説明した複利にあります。

 

ここが借金だけではなく金融全般を理解する上で最重要ポイントになります。

わかりやすくするために、今までと条件を少し変更します。

元金が400万円、金利が年利18%、毎月返済額が3万円だとします。

これを複利で三年間続けた場合の元金について表にしました。

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 次に単利の場合

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3年間で338,279円の差がつきます。

そして、この差は年が経つごとにドンドン大きくなっていきます。

 

ちなみに10年間経つと6,338,646円の差になります。

単利と複利で時間経過とともにこのくらいの差が出てきます。 

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借金が雪だるまのように膨れ上がるという意味は複利の急激な借金増加ペースを表現した言葉になります。

こうやってみると、5〜6年目を超えたあたりから急激に借金が膨れているのがよくわかると思います。

 

複利の力を使って借金は雪だるまになります。 

 

 

アナと雪の女王では雪だるまつくっても問題ありませんが、借金の雪だるまを作るととんでもないことになります。

www.youtube.com

 

 

単利と複利の違い、借金が膨れ上がる仕組みは理解できましたか? 

ではまた〜〜